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美容外科ナースのママブログ

アートメイクやタトゥーは火傷のリスク!MRI検査ができない??

こんにちはayaka(@suzuki_ayaka01)です。

アートメイクやタトゥーが入っていると熱傷(火傷)になる可能性があるので、MRIの施術が受けられない可能性があるって聞いた事ありますよね。心配で施術を躊躇する方もいらっしゃるかもしれません。

それに熱傷になるかもしれないと聞くとすごくひどい火傷を想像するんじゃないでしょうか?

でも実際は、熱傷って言っても皮膚にダメージが出る深さによってレベル分けされていて、日焼けでもレベルⅠの熱傷なんです。

学会の資料を見ていて、火傷の報告があった例はタトゥーを入れた方の熱傷で、レベルは最大でⅡ度。数少ない報告の中でもほとんどがレベルⅠの報告なんです。

アートメイクとタトゥーは色素を入れる深さがかなり変わるため、色素に含まれる金属の反応の仕方も変わると思われます。

アートメイクが入っている方のMRI検査は安全なのか?について見ていきましょう

 

学会で発表されたアートメイクのMRI検査における安全性

 

今回参考にしたのはこの資料です

2015年5月号 形成外科医 vol.58掲載 「乳輪乳頭部へのアートメイクのMRI検査における安全性」 ー第1報:retrospectiveな検討ー 富田祥一、寺田保信、森克哉、谷口浩一郎、内田滿  

こちらの資料には

  • 乳がん患者が乳輪乳頭を切除し、作り直す際にアートメイクの技法で色の入っていない乳輪や乳頭にカモフラージュ目的で色素を入れた際のMRI検査は安全なのか
  • 乳輪乳頭へのパラメディカル施術例だけでなく、他のアートメイクや刺青(タトゥー)が入っている方がMRI検査を受けた時のデータも分析
  • アートメイク、タトゥーが入っている方がMRI検査を受けて、熱傷になった事例は極めて少なく、アートメイクがあってもMRI検査をすることは安全に行う事ができる可能性が高い事が発表されています。

 

パラメディカルとは

アートメイクは眉やアイラインなどメイク目的だけでなく、医療の現場でも病気や怪我や手術で傷になってしまったところや、以前はあったものがなくなってしまった際に目立たなくする役割で技術が使われることがあります。それをパラメディカルと言います。

アートメイクと同じ種類の色素で入れたり、深さもタトゥーのように深くありません。アートメイクの技術を使って行う病気の症状のカモフラージュです。

さっそく学会論文の内容を詳しく見てみよう

対象

2005年1月〜2011年12月に当院および関連病院において乳房再建を行った症例のうち2013年12月までに乳輪乳頭にアートメイクがある上でMRI検査が施術された66例  

結果

66例のMRI検査は全130回。 そのうち部位は 頭頂部82回、胸部30回、腰部18回であった。 MRI検査により乳輪乳頭のアートメイク部に熱傷をきたした症例はなかった。

考察

乳癌術後の乳輪乳頭再建術は乳房再建の仕上げというべき重要な手術である。 乳輪乳頭へのアートメイクは大きさ、位置、色を自由に調整できることや他の部位に傷をつけないことが大きな利点である。 今回我々は癌の再発や転移の治療に対するMRI検査のメリットがMRI検査によって刺青、アートメイク部に熱感をきたすリスクよりも大きいと判断した際に、充分なインフォームドコンセプトを行ったうえでMRI検査を施工した。 その結果から刺青、アートメイクの部分がMRIにより熱傷をきたす可能性は極めて低いと考えられる。 これまで発表された国内外学術論文を検索するとMRI検査に伴う刺青、アートメイク部の熱傷は数えるしかない。

刺青が入っている方のMRI検査による熱傷の報告

そのうちMRI検査によって刺青に熱傷をきたしたのは7例である。 MRI装置内に入ると検査前に灼熱感をきたし検査が中止された。 この症例では刺青を切除後にMRI検査を完遂した。しかしこのほかに刺青を切除した報告はこのほかにない。 灼熱感や、短時間で回復する発赤や腫脹を認めたものが5例、Ⅱ度熱傷をきたしたものが1例であった。 7例のうち5例はMRI中に症状が出たのに対し、2例はMRI検査前に症状が出現した。

アートメイクが入っている方のMRI検査による熱傷の報告

MRI検査によってアートメイク部に熱傷を来した報告はこれまでに6例である。 はじめに報告されたのは、アイラインのアートメイクにⅠ度の熱傷例である。これを期にその予防策としてアイラインのアートメイクがある人に対してMRI検査をしないように推奨している。 その後は5例で、いずれも灼熱感のみ。もしくは短時間で回復する発赤や腫脹を認めている。 部位としては全例アイラインの施術で、頭部や頸椎のMRI検査前に症状が出現し、検査を中止していた。

検査前に熱傷を来す理由はわからない

MRI検査ではRFパルスによる電磁波誘導により誘導電流が生じる。そこにループ構造が存在すると、組織の電気抵抗により発熱する。 しかしこれまでの報告のあった13例を見ると、約半数の6例がMRI検査開始前に症状を訴えている。 MRIが人体に及ぼす影響として静磁場による吸引力、傾斜磁場による神経障害、騒音、RFパルスによる発熱があげられる。 検査前に刺青、アートメイク部に影響し得る因子は静磁場による力学的作用である。熱傷をきたす原因についてはさらなる検討が必要である

MRI検査は避けるべきではない

本研究では66例のアートメイク症例に対してMRI検査を施術したが、熱傷および有害事象は認めなかった。 FDA(米国食品医療品局)は刺青があってもMRI検査を避けるべきではないとしている。 しかし我が国では刺青やアートメイクのある患者へのMRI検査は各病院によって様々な対応が取られており、統一された見解はない。

まとめ

乳輪乳頭へのアートメイクを受けた症例でMRI検査を行った66例を対象として、有害事象の有無を後ろ向きに検証した。 全て130回の検査で有害事象はなく、また過去の刺青、アートメイク部への熱傷報告例は極めて少なかった。そのため、乳輪乳頭へのアートメイクがあってもMRI検査は安全に行う事ができる可能性が高いと考えられた。

 

アートメイクをしている人がMRI検査にて熱傷と判断された例はアイライン

この論文にあるようにアイラインにアートメイクが入っている方の熱傷の報告はこれまでに6例しかない。

リップや眉については報告がない。

一人がⅠ度の熱傷で、そのほかは灼熱感のみです。

実際に熱傷の程度が気になりますよね。

 

レベルⅠってどのくらいの熱傷なの?熱傷のレベルについて

熱傷はレベルⅠ〜Ⅲに分けられます

深さによって分けられ、一番皮膚表面に近いところから

表皮、真皮、皮下組織に分けられます

Ⅰ度は日焼けも含まれる

表皮のみのダメージです。赤みが出てヒリヒリ感があります。

数日経つと症状は緩和します。

ステロイドを塗るのが効果的で、痕にもなりにくいです。

Ⅱ度は真皮まで含まれる

浅達性Ⅱ度熱傷[SDB](浅達性2度熱傷)

水ぶくれができます。浅達性と深達性があり、火傷したてでは判断が難しいです。

真皮上層までの損傷です。 痛みが強く、赤くなって水ぶくれができます。 上皮化後に、色素沈着などが起きますが、やけど跡はあまり残りません。

深達性Ⅱ度熱傷[DDB](深達性2度熱傷)

真皮深層までの損傷です。 赤く腫れ、水ぶくれなどが起きますが、 痛みは軽度で、水ぶくれの下の皮膚が白くなっています。 上皮後に瘢痕が残りやすいです。

Ⅲ度熱傷(3度熱傷)

皮膚全層の損傷です。 痛覚が失われるため痛みはありません。 創面は黒か白くなり、水ぶくれはできません。 やけど跡は残ります。ケロイドになることもあります。

アートメイクをしていてもMRIで火傷する可能性は低い

論文を見ていると、アートメイクをしていてもMRI検査をして問題が起こらない人が多いことがわかります。

火傷のレベルも火傷の頻度も低いのがわかると思います。

心配な人は検査する病院に聞いてみてから施術してください

 

関連記事

以前アートメイク施術後のMRI検査についての記事を書きました。

この記事は知り合いの放射線技師さんに聞いた話です

アートメイクが入っていてもMRI検査がどうしても必要ならする。また、MRIじゃなくても他の検査で病気の診断ができるならしていくとのことでした

http://suzukiayaka.com/yakedo/